Chapter 3 議案の提出者

 議案の性格は、その議案の提出者によって、おおまかに分類することができます。ここからは、市長提出議案、議員提出議案等(委員会提出議案を含む)、および請願のそれぞれについて、統計を示します。また、市議会を構成する5つのクラスタの表決行動の傾向を、その議案の性格と関連付けて示します。

 2022年03月定例会から2022年12月定例会までの期間に、 174の議案が町田市議会に提出さました。 174議案の内訳は、市長提出議案が 128議案( 73.6%)、委員会提出議案が 2議案( 1.1%)、議員提出議案が 32議案( 18.4%)、請願が 12議案( 6.9%)でした。

Figure 3.1: 議案

3.1 市長提出議案

 2022年2月の改選後、町田市議会は市長提出議案( 128議案)の 77.3%を全員一致(簡易表決を含む)で可決し、 99.2%を可決しています。

 なお、2018年から2022年までの町田市議会は、市長提出議案( 568議案)の78.0%を全員一致(簡易表決を含む)で可決し、 99.5%を可決しています。このように、町田市議会と町田市政の関係に、改選に伴う大きな変化は認められません。

Figure 3.2: 市長提出議案

3.1.1 賛成を表決した割合の違い

 各議員が表決した数を棒グラフに示し、表決した数に占める賛成の表決の割合を折れ線グラフに示します。 市長提出議案 128議案のうち、Aクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 99.1% 以上 100.0% 以下でした。 Bクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 99.1% 以上 99.1% 以下でした。 また、Cクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 85.3% 以上 85.3% 以下でした。 また、Dクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 98.2% 以上 100.0% 以下でした。 また、Eクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 97.3% 以上 98.2% 以下でした。

Figure 3.3: 市長提出議案

3.1.2 反対を表決した議案に現れる、クラスターの相違点

 どの議員も、市長提出議案の85%以上に賛成の表決をしているため、どのクラスタがどの議案に賛成の表決をしたかではなく、どのクラスタがどの議案に反対の表決をしたかに着目してみましょう。

 市長提出議案 128議案から、全員一致した 99議案(簡易表決を含む)を除いた 29議案について、反対の表決をした議員の数をグラフに示します。色の違いは、クラスタの違いを表します。なお、過半数ラインは18になります。

Figure 3.4: 市長提出議案

3.2 議員提出議案等(条例・意見書・決議)

3.2.1 傾向

 2022年の改選後、町田市議会は議員提出議案(委員会提出議案を含む) 34議案の 26.5%を全員一致で可決し、 47.1%を可決しています。

Figure 3.5: 議員提出議案等

3.2.2 賛成を表決した割合の違い

 各議員が表決した数を棒グラフに示し、表決した数のうち賛成の表決をした割合を折れ線グラフに示します。 議員提出議案(委員会提出議案を含む) 34議案のうち、Aクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 36.4% 以上 45.5% 以下でした。 また、Bクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 81.8% 以上 90.9% 以下でした。 また、Cクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 81.8% 以上 81.8% 以下でした。 また、Dクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 72.7% 以上 77.3% 以下でした。 また、Eクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 68.2% 以上 72.7% 以下でした。

Figure 3.6: 議員提出議案等

3.2.3 反対を表決した議案に現れる、クラスターの相違点

 議員提出議案(委員会提出議案を含む)には、国に対するもの、東京都に対するもの、町田市に対するものなどがあります。その名宛人が多岐にわたる点において、市長提出議案とは異なります。議案の名宛人と可決率の関係を見てみましょう。

3.2.3.1 議員提出議案等の名宛人

 2018年03月定例会から2022年12月定例会までの期間で、議員提出議案(委員会提出議案を含む)は 34議案あります。名宛人別に、議案数と可決率をグラフに示します。

 なお、「国」を名宛人にする場合、政府または国会への意見書を含みます。また、条例案および付帯決議案は名宛人を「町田市」としました。特に、効力が議員活動におよぶ条例案、決議案および動議は名宛人を「議員」としました。また、名宛人が複数の場合、名宛人の数で割った値を議案数に用いています。

Figure 3.7: 議員提出議案等

3.2.3.2 反対を表決した議案に現れる、クラスターの相違点

 議員提出議案(委員会提出議案を含む) 34議案のうち、国を名宛人に含む議案は16議案あります。国を名宛人に含む議案と国を名宛人に含まない議案に分け、反対の表決をした議員の数を、それぞれグラフに示します。色の違いは、A、B、C、D、Eクラスタの違いを表しています。

3.2.3.3 国を名宛人に含む、議員提出議案(委員会提出議案を含む)

 国を名宛人に含む議員提出議案(委員会提出議案を含む) 16議案から、全員一致した 4議案を除いた 12議案について、反対の表決をした議員の数をグラフに示します。色の違いは、A、B、C、D、Eクラスタの違いを表しています。なお、過半数ラインは18になります。

 国を名宛人に含む議案の多くに、Aクラスタが反対の表決をしました。なお、Aクラスタの多くの議員が所属する政党は、国政の与党でもあります。

Figure 3.8: 議員提出議案等

3.2.3.4 国を名宛人に含まない、議員提出議案(委員会提出議案を含む)

 国を名宛人に含まない議員提出議案(委員会提出議案を含む) 6議案から、全員一致した 1議案を除いた 5議案について、反対票の数をグラフに示します。なお、図中の破線は過半数ラインになります。

Figure 3.9: 議員提出議案等

3.3 請願

 2022年2月の改選後、町田市議会は請願( 12議案)の 8.3%を全員一致で採択し、 8.3%を可決しています。

Figure 3.10: 請願

3.3.1 賛成を表決した割合の違い

 各議員が表決した数を棒グラフに示し、表決した数のうち賛成の表決をした割合を折れ線グラフに示します。 請願 12議案のうち、Aクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 12.5% 以上 25.0% 以下でした。 また、Bクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 37.5% 以上 37.5% 以下でした。 また、Cクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 100.0% 以上 100.0% 以下でした。 また、Dクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 62.5% 以上 62.5% 以下でした。 また、Eクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 12.5% 以上 25.0% 以下でした。

Figure 3.11: 請願

3.3.2 反対を表決した請願に現れる、クラスターの相違点

 どのクラスタが請願に反対の表決をしたかに着目してみましょう。請願 12議案から、全員一致した 1議案を除いた 11議案について、反対の表決をした議員の数をグラフに示します。色の違いは、クラスタの違いを表します。なお、過半数ラインは18になります。

 A、Bクラスタが揃って反対した請願は、町田市に施策の見直しを求める請願がおおいようです。  

Figure 3.12: 請願