Chapter 4 市長提出議案

2018年の改選後、町田市議会は市長提出議案( 568議案)の 78.0%を全員一致(簡易表決を含む)で可決し、 99.5%を可決しています。

Figure 4.1: 市長提出議案

4.1 クラスタ分析

 2018年03月定例会から2021年12月定例会までの期間に、市長提出議案は 568議案あります。 568議案に係る表決行動に基づいて、36名の市議を分類してみました。その結果、市議を3つのクラスター(A、BおよびC)に分類できました。差異が少ない2つ(A、B)のクラスターは、一つとみなすこともできます。なお、6月定例会前に辞職した星、松岡、吉田の3人は、計算の便宜上欠席扱いとしています。また、A、Bのクラスターからも外れています。

Figure 4.2: 市長提出議案

クラスタ分析には、平方ユークリッド距離およびウォード法を使用し、議長の表決行動等の欠損値については、同じ会派の表決と同じとしました。また、表決を「賛成」「反対」「その他」の3つに区分し、欠席および退席は「その他」にしました。なお、縦軸の距離は表決行動の違いの指標ですが、表決行動が近い議員間の差異を強調するために、距離の対数をグラフの縦軸に採用しています。

4.1.1 【Aクラスタ】24名

Aクラスタは市政の与党であると言えます。

  • 所属会派:
    • 公明党会派(6名):村まつ俊孝、山下てつや、おんじょう由久、松葉ひろみ、おく栄一、斉藤かつひろ。(なお、斉藤かつひろは、2019年12月定例会期中の欠席のため、クラスタ内で離れた位置にいます。)

    • 自民党会派(10名):渡辺厳太郎、いわせ和子、佐藤伸一郎、石川好忠、若林章喜、三遊亭らん丈、おさむら敏明、熊沢あやり、木目田英男、藤田学。(なお、若林章喜と熊沢あやりは、議長を務めた議案の表決に加わっていません。また、熊沢あやりは自民党会派を離れています。)

    • まちだ市民クラブ(6名):ちだ伸也、東友美、佐藤和彦、森本せいや、わたべ真実、戸塚正人

4.1.2 【Bクラスタ】7名

Bクラスタが市長提出議案に賛成の表決をする割合はAクラスタと同程度ですが、その表決行動は、Aクラスタの表決行動とは若干異なります。Aクラスタが反対の表決をした議案とは異なる議案に、Bクラスタは反対の表決をしています。

  • 所属会派:
    • 保守の会、諸派1、諸派2、諸派3:新井よしなお、大西宣也、おぜき重太郎、白川哲也、友井和彦、深沢ひろふみ、矢口まゆ。

4.1.3 【Cクラスタ】4名

Cクラスタは市政の野党であると言えます。

  • 所属会派:
    • 共産党会派(4名):細野龍子、佐々木智子、殿村健一、田中美穂。(なお、田中美穂は、2020年5月臨時会および2020年6月定例会期中の欠席があるため、クラスタ内で離れた位置にいます。)

4.2 クラスタの特徴

4.2.1 賛成を表決した割合の違い

各議員が表決した数を棒グラフに示し、表決した数のうち賛成の表決をした割合を折れ線グラフに示します。 市長提出議案 568議案のうち、Aクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 99.2% 以上 99.8% 以下でした。 Bクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 96.7% 以上 99.3% 以下でした。 また、Cクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 79.3% 以上 79.8% 以下でした。

Figure 4.3: 市長提出議案

4.2.2 反対を表決した議案に現れる、クラスターの相違点

各議員がどれだけの数の議案に賛成の表決をしたか、その数に着目するだけでは十分ではありません。次に、どの議案に反対の表決をしたかに着目してみましょう。

市長提出議案 568議案から、全員一致した 443議案(簡易表決を含む)を除いた 125議案について、反対の表決をした議員の数をグラフに示します。色の違いは、クラスタの違いを表します。なお、図中の破線は過半数ラインになります。

反対の表決をした議案は、各クラスタで異なります。反対の表決をした議案から、各クラスタの政治的な傾向が読み取れそうです。

Figure 4.4: 市長提出議案