Chapter 6 請願

2018年の改選後、町田市議会は請願( 72)の 11.1%を全員一致で採択し、 25.0%を可決しています。

Figure 6.1: 請願

6.1 クラスタ分析

2018年03月定例会から2021年12月定例会までの期間に、請願は 72議案あります。 72議案に係る表決行動に基づいて、36名の市議を分類してみました。その結果、市議を4つのクラスター(G、H、IおよびJ)に分類できました。なお、6月定例会前に辞職した星、松岡、吉田の3人は、計算の便宜上欠席扱いとしました。

Figure 6.2: 請願

クラスタ分析には、平方ユークリッド距離およびウォード法を使用し、議長の表決行動等の欠損値については、同じ会派の表決と同じとしました。また、表決を「賛成」「反対」「その他」の3つに区分し、欠席、退席および無記名投票は「その他」にしました。なお、縦軸の距離は表決行動の違いの指標ですが、表決行動が近い議員間の差異を強調するために、距離の平方根をグラフの縦軸に採用しています。)

6.1.1 【Gクラスタ】18名

Gクラスタは、議員提出議案等に係る表決行動に基づいて分類したDクラスタと同じ結果になりました。

  • 所属会派:

    • 自民党会派(12名)熊沢あやり、三遊亭らん丈、佐藤伸一郎、石川好忠、藤田学、木目田英男、いわせ和子、若林章喜、おさむら敏明、渡辺厳太郎、松岡みゆき、星だいすけ。(なお、若林章喜と熊沢あやりは、議長を務めた議案の表決に加わっていません。また、星だいすけ、松岡みゆきは、辞職し、熊沢あやりは自民党会派を離れています。)

    • 公明党会派(6名)村まつ俊孝、山下てつや、おんじょう由久、松葉ひろみ、おく栄一、斉藤かつひろ。

6.1.2 【Hクラスタ】8名

Hクラスタは、Gクラスタと似ていますが、一部の表決行動が異なります。こちらも、議員提出議案等に係る表決行動に基づいて分類したEクラスタと同じ結果になりました。

  • 所属会派:

    • 保守の会、諸派1、諸派2、諸派3 新井よしなお、深沢ひろふみ、吉田つとむ、矢口まゆ、友井和彦、大西宣也、白川哲也、おぜき重太郎。(なお、吉田つとむは、辞職しています。)

6.1.3 【Iクラスタ】6名

Iクラスタは、立憲民主党、生活者ネットおよび無所属です。まちだ市民クラブが他の会派と違うクラスタを形成するのは、請願に関する表決が初めてです。請願には、市政に関するものと、国政に関するものが混在しているためと思われます。

  • 所属会派:

    • まちだ市民クラブ(6名)ちだ伸也、東友美、佐藤和彦、森本せいや、わたべ真実、戸塚正人。

6.1.4 【Jクラスタ】4名

Jクラスタは、市長提出議案に係る表決行動に基づいて分類したCクラスタと、同じ結果になりました。

  • 所属会派:

    • 共産党会派(4名)細野龍子、佐々木智子、殿村健一、田中美穂。

6.2 クラスタの特徴

6.3 賛成を表決した割合の違い

各議員が表決した数を棒グラフに示し、表決した数のうち賛成の表決をした割合を折れ線グラフに示します。 請願 72議案のうち、Gクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 31.2% 以上 47.5% 以下でした。 Hクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 37.5% 以上 50.0% 以下でした。 Iクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 52.1% 以上 60.4% 以下でした。 また、Jクラスタに分類された議員の賛成表決率は、 91.7% 以上 91.7% 以下でした。

Figure 6.3: 請願

6.4 反対を表決した請願に現れる、クラスターの相違点

各議員がどれだけの数の請願に賛成の表決をしたか、その数に着目するだけでは十分ではありません。次に、どの請願に反対の表決をしたかに着目してみましょう。

請願 72議案から、全員一致した 8議案を除いた 64議案について、反対の表決をした議員の数をグラフに示します。色の違いは、クラスタの違いを表します。なお、図中の破線は過半数ラインになります。

反対の表決をした議案は、各クラスタで異なります。反対の表決をした議案から、各クラスタの政治的な傾向が読み取れそうです。

G、H、Iクラスタが揃って反対した請願は、町田市の進行中の事業に係る請願がおおいようです。

Figure 6.4: 請願